明けましておめでとうございます
マスク生活にもなれてきて、無事に今年を迎えられました。
旧年中は皆さまにひとかたならぬご厚情を頂きありがとうございます。
今後とも社員一同一丸となりサービス向上に尽力して参ります。
本年も富士越カメラと「こういちろうの独り言」を
宜しくお願い申し上げます。

では、第8回「こういちろうの独り言」をお楽しみください。


 
  第8回
 
みなさま新年明けましておめでとうございます

またまた珍レンズが入荷とのことで、富士越カメラさんへ。
最初期のライカ5cm f2ズミクロンには放射能を発するものがあるそうで、
そのレンズです。
トリウムズミクロンとよばれていて、とても興味深いレンズです。

ライカは酸化トリウムをレンズに使うことで屈折率を上げて、
素晴らしい写りをもたらすことが出来たのですが、
経年変化でレンズは黄色くなってしまうため、
トリウムを使わず酸化ランタンへ材料を替えたそうです。

でも黄色くなってしまったレンズが今や注目で、
モノクロで撮るとイエローフィルターを使ったような、コントラストが上がる写真になり、
カラーだと少し暖かみが出たり、クラシック感があるのだと、
マニアのみなさんは言うそうで、、



 
トリウムズミクロン このレンズはそれほど黄色くなっていません。

しかし、そんな放射能レンズを使っても大丈夫なの?
長年使うと何か起こったりしないの?
などと心配になりますが、カメラを挟んでのレンズを使うので大丈夫!
ということにして、試写をさせて頂くことにしました。

ほんとに放射能は出ているの?
そこで、どの程度なのかと放射能を測定できるスマホで試してみます。



 
おーっと出ています!
これがどの程度の数値なのか分からないのですが、
ネットで調べるとラドン温泉と同程度の数値のようです。
だったら大丈夫なのか、ラドン温泉はヤバくないのか謎なままでスタートです。

撮影は年末、夕方の新橋。みなさんコロナが少し収束したとのことで、
賑わいが戻って、多くの皆さんが会社帰りの一杯を楽しんでいます。

そんなほろ酔いな街を、少し温かみのある色のトリウムズミクロンを携え、
ぶらぶら行ってみます。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron   絞りF2(開放) 1/250秒 ISO1600 露出補正+0.3EV
 
近くの烏森神社にお参りを。
明かりが赤いのですが、さらに暖かい感じなのはトリウムズミクロンのせいでしょうか。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron     絞りF2(開放) 1/125秒 ISO1600 露出補正+0.3EV
 
新橋の赤ちょうちんはズミクロンで撮ると、いつもより魅力的です。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron     絞りF2(開放) 1/60秒 ISO400 露出補正-0.3EV
 
みなさん足早な12月。
ズミクロンの中心部の解像感は素晴らしいです。
発売当時トリウムズミクロンは「空気が写る」と言われたそうです。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron     絞りF2(開放) 1/200秒 ISO1600 露出補正-0.3EV
 
師走の忙しさで、自転車がクルマを抜きそうな勢いです。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron     絞りF2(開放) 1/80秒 ISO1600 露出補正+0.6EV
 
近代的なビルの明かりもクラシカルに。にじみがいい感じです。。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron     絞りF2(開放) 1/1600秒 ISO1600 露出補正+0.3EV
 
中心付近の画質はかなりシャープで、周辺にかけてシャープさが足りなくなりますが、
これは絞り開放の場合。絞るとかなりシャープです。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron     絞りF2(開放) 1/250秒 ISO1600 露出補正+0.3EV
 
SLにもごあいさつ。
トリウムズミクロンで撮るとクラシカル感は増して、タイムマシーンに見えてきます。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron  中間リング使用     絞りF2(開放) 1/25秒 ISO1600 露出補正+0.3EV
 
お疲れさまで一杯。お酒のみずみずしさが凄いです。


ライカSL (type 601) 5cm F2 summicron  中間リング使用     絞りF2(開放) 1/40秒 ISO1600 露出補正+1.0EV
 
好きな厚揚げで乾杯。

みなさま本年もどうぞよろしくお願いいたします。
   
 



  斎藤 巧一郎 (さいとう こういちろう)


  鹿児島県出身。
  日本大学芸術学部写真学科卒。
  カメラメーカーの写真教室、セミナー講師を務め、カメラ雑誌の記事寄稿をしている。
  最近は日本の食についての撮影を続けている。
  長崎市在住。好きな食べ物はちくわ。


 
 
・第1回:2021年6月   ひとりごと始めます  (ライカR 21mmF4,80mm1.4)
・第2回:2021年7月   新橋烏森神社に    (L 50mm F3.5 エルマー)
・第3回:2021年8月    真夏の新橋さんぽ    (ズミルックスM 35mm F1.4)
・第4回:2021年9月    Titanのプレミアム感  (ニコン F2チタン)
第5回:2021年10月  フィルムで撮る長崎   (ローライ35)
・第6回:2021年11月  高層ビルからビールの泡まで (オリンパス M SYSTEM)
・第7回:2021年12月  逆光で撮る冬の新橋 (ライカ 5cm F2 Summar)
・第8回:2022年1月   師走の新橋 (ライカ トリウムズミクロン)
・第9回:2022年2月   M10・CL・X2 (ライカ デジタルカメラ)
・第10回:2022年3月   最新機種 M11 (ライカ M11)
・第11回:2022年4月 桜満開の新橋(マクロプラナー)
・第12回:2022年5月 初夏の新橋さんぽ 最終回(アポ・ズミクロン)